レベチラセタムは効果のある発作型のスペクトラムが広く、薬物相互作用も少ないため使用されている先生方も多いかと思います。
昨年にレベチラセタムの治療効果を他の薬剤と比較した報告が2つ出ていますので共有しておきます。
2つともSANAD II studyというイギリスでの大規模な薬物の治療効果に関する試験の結果で昨年Lancetに報告されたものです。
・一つ目は990名の新規に焦点てんかんと診断された患者(年齢中間値39.3歳)に対しての試験です。レベチラセタムを1剤目の抗てんかん薬として使用した場合の有効性をラモトリギンと比較していますが、レベチラセタムの非劣性は示されませんでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33838757/pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
・また二つ目は520名の全般てんかんあるいは分類不能てんかんと診断された患者(年齢中間値13.9歳)に対しての試験です。レベチラセタムのバルプロ酸に対する有効性を検討した研究で、こちらもレベチラセタムの非劣性は示されませんでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33838758/pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
非劣性も示せなかったのは意外な結果でした。レベチラセタムを使用する場合に、治療効果面では他剤の方が有効である可能性を意識することは大事かと思います。
もちろん副作用が少ないことはレベチラセタムの大きなメリットであり、妊娠可能女性など、メリットが大きい場合にレベチラセタムを使用することは問題ありません。
