投稿日 2023年07月29日
更新日 2023年08月01日

パーキンソン病でのL-dopaの基本的な使い方①

ご質問をちょこちょこお受けするので、L-dopaの基本的な使い方についてお話したいと思います。なにか決まった方法があるわけではないと思いますので私見ですが…。

先日の投稿でLEAP試験ではdisease modifying effectはなさそうという話にはなりましたが、例えそうだとしてもL-dopaが重要なことに変わりはなく、現在でも最も重要で基礎になる薬剤です。

まず初期のパーキンソン病の方はL-dopa 100mgを朝食後で開始して、症状に合わせて朝夕食後(200 mg/day)や朝昼夕食後(300 mg/day)へと増やします。MAO-BやAgonistなどではじめてもよいのですが、効果がそれほど強くないことや診断的意味も含めてL-dopaではじめることが多いです。アンケート調査などでも多くのケースではL-dopaではじめておられる先生が多いようですね。

L-dopa 200~300 mg/dayで投与し、十分にONになりADLが改善しているかを患者さんや家族に尋ねて確認します。十分にADLが改善していればしばらくはそのまま様子を見ます。Long duration responseもあるので、ADLが非常に悪い場合など除けば、1,2ヵ月ごとに増量が良いと思います。

ここでONになっていなければ、No-ONとして150-150-150 mgへと増量します。また早朝のOFFが強いなどあれば、起床時・朝昼夕食後(400 mg/day)などと増やします。このときに、薬剤濃度を想像して治療域に入るように調整するとわかりやすいです(下図)。下図のケースは発症数年以内で1日3回内服でONになっている早期のケースです(ハネムーン期)。

数年治療をしていると、徐々にwearing offなどが出現するので、AgonistやMAO-Bなどを追加して、L-dopaを節約して運動合併症を避けるように意識しています。

長いので②に続きます…。次回は治療域の図を用いて例を出して説明します。

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